1 テトラコルド理論
小泉文夫氏のテトラコルド理論は、ハ長調で処理した。各列の数字は、音階の音の順序である。民謡音階、都節音階、律音階と琉球音階で、CからFと、GからCが同じ音程であると、主張している。邦楽を知らない洋楽家の自画自賛である。
小泉理論と伝統音楽の音程の比較
小泉理論 |
C |
ー |
D |
ー |
E | F | ー | G | ー | A | ー | B | C | ー | D | |
民謡音階 |
① |
|
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② |
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③ |
④ | ⑤ | ⑥ | |||||||
都節音階 |
① |
② |
|
|
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③ |
④ | ⑤ | ⑥ | |||||||
律音階 |
① |
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② |
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ミ |
③ |
④ |
⑤ |
シ | ⑥ | ||||||
琉球音階 |
① |
|
|
|
② |
③ |
④ | ⑤ | ⑥ | |||||||
呂音階 |
① |
|
② |
|
③ |
ファ |
④ | ⑤ | シ | ⑥ | ||||||
伝統音階 |
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陽旋律 |
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① |
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|
② |
③ | ④ | ⑤ | ⑥ | |||||||
陰旋律 |
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① |
② |
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③ | ④ | ⑤ |
⑥ |
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壱越調 |
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① |
|
② |
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③ | ④ | ⑤ | ⑥ | |||||||
琉球音階 |
① |
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|
② |
③ |
④ | ⑤ |
⑥ |
2 テトラコルド理論の問題点
① 雅楽と教会旋法は、旋法の音楽である。ハ長調の平行調である。ハ長調とイ短調の関係である。音階の音数だけ旋法は、ある。
② 民謡音階は、壱越旋法D調を、C調に移調した音階でする。.民謡音階と陽旋律は、 一致している。移調を認めて正当である。
③ 都節音階は、陰旋律の下向の音階である。上向または6音の音階を使うべきである。上向の 音階では、理論は、成立しない。都節音階は、詩吟の音階である。
④ 律音階は、ミとシが抜けている。ミナ(ニ六)抜き音階である。陽旋律に相当する西洋音階である。Cを除くと、陽旋律に等しくなる。
⑤ 呂音階は、ファとシが抜けている。ヨナ抜き音階である。雅楽の壱越調に相当する西洋音階である。使うなら、この音階が、律音階だと考えられる。
⑥ 琉球音階は、そのままで使える。
⑦ 琉球音階を除く日本音階は、第二音で決まる。他の音は、同じである。 陰旋律は、E♭である。雅楽は、Eである。陽旋律は、Fである。