1 日本音楽の音律
(1)ピタゴラス音律
日本の伝統音楽は、雅楽、民謡の陽旋律、三味線音楽の陰旋律と琉球音階である。雅楽は、ピタゴラス音律である。奈良時代に胡人の音楽が輸入された。7音の音階と思える。旋法は、5調子が残る。以降雅楽が、日本音楽の中心である。秘曲伝授や紅葉の賀は、ピタゴラス音律である。
(2)純正律
陽旋律、陰旋律と琉球音階は、純正律である。全ての音階は、旋法がある。琉球音階は、ド旋法である。陽旋律は、レ旋法である。陰旋律は、ミ旋法である。正比例である。強く締めれば音は、上がる。平均律は、対数である。
琉球から蛇皮線が伝わった。琉球音階は、ド旋法である。八ッ橋検校は、雅楽の平調調子を基に陰線律を作った。ピタゴラス音律を純正律に変えた。平調調子は、ソとドが抜ける。琉球音階でドなしは、都合が悪い。ミドシラファの音階を下向の音階にした。詩吟の音階で小泉文夫の都節音階である。
(3)三味線音楽の転調
6音では、複雑な音楽は、出来ない。ミ旋法の調を転調する事で、音数を増した。三味線音楽は、五線譜にすると、臨時記号が、多数入る。三味線音楽は、無調の現代音楽である。一般的に音階は、1つに固定する。C調である。Dは、C調と決まる。三味線音楽は、C調かD調か決まらない。地歌は、暗譜を重視する。完全に記憶しないと新しい曲入らない。音に就いていけない。宮城道夫の春の海は、レ旋法とミ旋法を同音の平行調で転調している。地歌の本来の転調でない。三味線音楽の欠点を知っていたから誤魔化した。
(4)平均律
歌謡曲は、平均律である。西洋音楽である。地歌は、純正律で調が発達した。地歌の楽譜をピアノで演奏すれば、平均律の地歌になる。
3音律は、7音の音階である。1オクターブは、12律(半音)である。3音律は、7旋法12調の音律である。平均律は、7旋法の音律である。長調と短調の2旋法でない。音律を変えた時は,元の旋法を引継ことは、当然である。聖歌を平均律に変えれば、旋法は、付いてくる。